事例紹介

注目の事例水は自然からの借りもの -魚の棲む川のために-

当社裾野工場は、富士山水脈の地下320mからくみ上げた天然水を製造に使用しています。硬度は約25の軟水で、年間通して15℃前後と安定した温度です。

ビルベリーエキス等の製造後に出る排水は、まずメタン菌を用いて嫌気処理を行い、工場内のボイラーの熱源として敷地内で再利用します。さらに、残った排水を好気処理して得られる活性汚泥は、専門の事業者の手で建材などに再生されます。こうして浄化処理された水は厳格な河川基準値に再生され、敷地内の調整池で緩衝されてから黄瀬川(きせがわ)に放水され、狩野川(かのがわ)に合流したのち駿河湾に至ります。

当社にとって製造用水は“自然から借りて一時的に使わせてもらっているもの“であり、借りたあとは適切な形で返すべきものと考えています。工場の設計に際しては市や施工会社とも相談を重ね、今後数十年に渡りこの流れをきちんと実現し続けていける形で立ち上げました。

黄瀬川で当社の川下に当たる流域には多くの公園、そして静岡県の指定文化財である「五竜の滝」があり、四季を通じて地元の方々や観光客の目を楽しませています。また、毎年11月~2月には滝の近くでニジマスが放流されます。この事業は裾野市はじめ近隣の自治体と漁協が協力し、川釣りを楽しんでもらうだけに留まらず、ゆくゆくは自然繁殖できることを目標に取り組まれています。

オムニカはこれからも富士山の水をお借りしますが、きれいな水にしか棲めない魚がのびのび泳げる川のために、今後もきれいな水をお返ししてまいります。