事例紹介

機能性食品原料天然資源、ビルベリー冷凍果実、パンデミックを乗り越え

ビルベリーエキスの出発原料はスカンジナビア半島周辺 北緯55度以北を主とした原産地点としています。歴史的には、森林資源の自由権利としてピッカーと呼ばれる個人が天産物を収集し、これを、ピッカーの生活行動範囲に設置された収集所に持ち込んで換金し、収集事業者は市場(いちば)へつなぐ、という小規模経済分業の中で商業用果実のシーズン限定での需要供給の運営がされていました。天然食品資源として個人宅の冷凍庫で1年分の日常食品用途に利用されていました。

左:同じ条件で品質管理された果実は定番食材、安心の証明。            右:昔ながらのビルベリー果実の地域収集所の風景。

1970年代になり、冷凍食品産業に瞬間凍結という技術の勃興があり、天然資源がそのままの外観香味で365日購入できることから利用者は増加していき、ブルーベリー果実などの収集は、ピッカーと収集業務と大規模選別業務に分業され、このころから、品質が一定で安定して入手できるフラボノイド源としてビルベリーは着目され、健康維持増進にかかわるエキス原料として利用が広がっていきました。

欧州在来種であるビルベリー(撮影:フィンランド)。

装置産業としての大規模選別事業者を中心とした安定供給の体制が構築され、やがてさらに規模が拡大されていくと、2000年以降は装置を稼働させるための原料果実の計画確保が重大となり、その数量確保のために、ピッカーのインセンティブ管理がより重要になっていきました。授業料や生活費を確保するために果実の採取活動に参加するピッカーが増加し、モバイルの発展でピッカーは正当な価格で買い取りをしてもらえる環境が整備されていきました。このように人々の協力で効率的なOrganizationが発達しましたが、冷夏、長雨、低温、猛暑、など気候問題の影響をより強く受けるために関係者は供給責任を履行するために苦労はつきません。

2021年8月がもっとも最近の収穫期でしたが、大変残念なことに欧州全域にわたる深刻な干ばつの影響をうけ、ビルベリー果実も多くの農産物と同様に前例には珍しい供給難に陥る不運が発生しました。経費をかけて収穫に参加するピッカーの狙いは1日あたり100㎏を目標としてますが、ところが普通なら森に密集する果実がスカスカの状態で、1日かけて働きながらも20㎏未満しか集まらない、感染症の影響で労働力が不足したことからインセンティブを引き上げしても数量確保はままならず、ビルベリーエキス原料のビルベリー果実は、市場価格はこの20年間でもっとも高い値段となったうえで品薄の状態にとどまることになりました。

北欧の森で収穫されたビルベリー果実。

オムニカの果実は、ピッカー管理を含む収集経路から販売までの「源流設計」、一次受取、凍結、選別、包装までの「製造工程」、原料や装置のデーター分析する「検査体制」この3点で原料果実の品質管理を行っております。特に重視しておりますのは源流設計で、2つの重要管理点を設けています。ひとつは同じ管理条件の果実が現地食品産業(HACCP必須)で利用されてる果実と出荷ロットが共有化されているか、もうひとつは、検査完了したロット果実が収穫が、いつ、どこで、誰たちが行ったかを紐付けするロットになっており(私たちはADロット管理と呼んでおります:Area &Date)、そのロットに紐つけされた先行サンプルが私たちに事前に提出されていること、事前にそのロットに対して当社が合格番号を付与していること、という事前合格制をとっている点、この2つの品質管理の骨格手法としております。

横浜港に到着した冷凍コンテナ―を開くと、「ADロット事前合格証」の番号が記載された冷凍果実が搭載されています。この原料果実を北欧のご家庭の方がたの日常の食生活で喫食されてるものと同じロットなのだということを尊重しながら、品質管理のバトンをオムニカ裾野工場は受取致します。この20年でもっとも供給不安に接しておりながら、この20年間の信頼関係から安定した原料を日本に送ってくれたことを感謝し、天然物資源を私たちの技術で日本国民の皆様の健康維持増進に役立てるためにエビデンス成分へ高度加工致します。安定確保の支援をいただいたその果実はやはり今年も最高の品質で、オムニカの強みのなかでいつもと同じエキスをつくるために、今年も、原産地から10000キロメートル離れた静岡県で大切に利用されております。